免疫の暴走を止める!膠原病の最新治療 「関節リウマチ」~2025.12.8 きょうの健康~
関節リウマチとは
関節リウマチは膠原病の一つです。
- 膠原病は、免疫機能に異常が起きて、自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
- 関節リウマチは、最初は関節が腫れて痛みが起こりますが、進行すると関節が変形してしまいます。
- 関節の破壊が進む前から治療を始めることで、変形を防ぐことが可能です。
- 関節の破壊は、発症後1年以内が最も進みやすいとされています。
- 早期に診断を受けて治療を始めることが関節を守る鍵となります。
関節リウマチの主な初期症状
関節リウマチの初期症状として、以下のものが挙げられます。
- 関節のこわばり、腫れ、痛み
- 関節のこわばりは、手指などの関節が動かしにくくなり、朝起きてから30分以上続くのが特徴です。
- 関節リウマチでは、指の付け根や真ん中の関節が腫れて厚くなります。
- 多くの場合、左右両方の手に症状が出ます。
関節リウマチの発症要因と好発年齢
関節リウマチの発症には、いくつかの要因が考えられます。
- 関節リウマチの患者は約8割が女性で、多くは30〜50歳代で発症します。
- 発症には遺伝的な要因のほか、喫煙や歯周病などが関与していると考えられています。
関節リウマチの治療:薬物療法
関節リウマチの治療の基本は薬物療法です。
メトトレキサート
メトトレキサートは、関節リウマチの治療で最初に使われることが多い抗リウマチ薬です。
- 患者さんの約8割が使用しています。
- メトトレキサートは、免疫細胞の活性化に関わる葉酸というビタミンの働きを抑えて、炎症を鎮める薬です。
- 週に1日または2日服用するタイプと、皮下注射タイプがあります。
- メトトレキサートによって、6〜7割の人で痛みや腫れが改善し、3割の人では病気が落ち着きます。
- 副作用は、吐き気や胃の不快感、肝機能障害などがあります。
- 副作用を軽減するため、葉酸製剤を併用して補うのが一般的です。
- メトトレキサートを皮下注射に切り替えると、副作用が軽くなることもあります。
生物学的製剤
生物学的製剤は、メトトレキサートを3か月ほど使用しても効果が不十分な場合に使われることが多い薬です。
- 免疫細胞が炎症を起こすのに関係するTNFやIL-6などの働きを抑える薬です。
- 現在、9種類の薬があり、点滴または注射で投与します。
- 生物学的製剤は、6〜7割の患者さんで痛みや腫れが改善し、関節の破壊が修復される可能性もあります。
- どの薬がその人に合うかは実際に使ってみないと分かりません。
- 3か月ほど使用して効果を確認し、合わなければ次の薬に切り替えます。
- 費用はメトトレキサートより高く、3割負担で月2〜4万円程度かかります。
- バイオシミラー(後発薬)を使えば3〜4割安くなります。
JAK阻害薬
JAK阻害薬は、免疫細胞を活性化するJAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素の働きを妨げ、炎症を抑える薬です。
- 生物学的製剤と同等またはそれ以上の効果が期待されるのみ薬です。
- 長期的な副作用がまだ十分に分かっていません。
- 費用も高額で、生物学的製剤より高くなることがあります。
- 生物学的製剤とJAK阻害薬は、通常の免疫機能も抑えるため、感染症にかかりやすくなります。
妊娠・出産を希望する際の注意点
メトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬のいずれも、妊娠・出産を希望する場合には注意が必要です。
- メトトレキサートは妊娠中・授乳中に使用できません。
- 流産のリスクや胎児に影響する可能性があるため、妊娠を希望する場合は中止が必要です。
- 中止後もしばらく体内に成分が残るため、1か月ほど妊娠を避ける必要があります。
高齢発症関節リウマチについて
高齢発症関節リウマチは、65歳以上で発症する関節リウマチです。
- 関節リウマチは30〜50代に多い病気ですが、65歳以上で発症する「高齢発症関節リウマチ」も増えています。
- 男性患者が4割と比較的多く、手や足の小さな関節ではなく、肩やひざなどの大きな関節から急に症状が出ることがあります。
- 炎症が強く、短期間で関節の機能が低下して、フレイルや要介護状態になりやすいです。
当院での関節リウマチ治療
当院では関節リウマチに対して薬物療法、運動器リハビリテーションを行っています。
