免疫の暴走を止める!膠原病の最新治療 「全身性エリテマトーデス」~2025.12.9 きょうの健康~
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
- SLEは、免疫機能の異常によって自分自身の体を攻撃してしまう膠原病の一つです。
- 免疫が誤って自分の組織を敵とみなし攻撃し、炎症などを引き起こします。
- Systemic Lupus Erythematosusの英語の頭文字をとってSLEとも呼ばれます。
- 全身性という名の通り、関節、皮膚、腎臓、血管、神経など、全身のさまざまな臓器に障害を起こします。
- SLEは国の指定難病であり、現在のところ根本的な治療法はありません。
- 有効な薬が次々に開発され、現在では10年生存率が90%以上となっています。
- 「完治」を治療の目標にできず、病気が抑えられ症状がない寛解を維持するのが目標となります。
- 最近では、仕事や家事、妊娠・出産など、健康な人と変わらない社会的な生活を送れる社会的寛解を目指せるようになってきています。
SLEの主な症状
- 初期症状として多いのは、関節痛、発熱、けん怠感、体重減少などです。
- 鼻から両頬にかけて、紫外線が多く当たる部分に蝶のような形に現れる赤い発疹、蝶形紅斑などの皮膚症状が特徴的です。
- むくみ、食欲不振、光線過敏症、脱毛、口内炎、筋肉痛、ドライアイ、息苦しさ、腹痛、下痢などが見られます。
- 重症化すると、腎臓、心臓、神経、血管などに障害が起こることもあります。
- 現れる症状や重症度は人によって異なり、複数の症状が一度に出る場合や、良くなったり悪くなったりを繰り返す場合もあります。
全身性エリテマトーデス(SLE)の発症原因について
- SLEの発症の正確な原因は不明ですが、遺伝的な要因に加え、環境要因が複合的に関与していると考えられています。
環境要因
環境要因としては、次のようなものがあります。
- 日光(紫外線)に長時間さらされる
- 喫煙(喫煙者は非喫煙者より発症率が高い)
- ウイルス感染
- 細菌感染
- 妊娠や出産
- 特定の薬の使用
- ケガや手術などが発症のきっかけになることもあります。
日本では、指定難病として登録している患者数は約6万5千人です。
- 申請していない人や受診していない人も多く、実際には約10万人程度と推定されています。
- 男女比では女性が全体の9割以上を占め、発症年齢は20〜40歳代が多いです。
全身性エリテマトーデスの治療法
- 根本的な治療は難しいのが現状です。
グルココルチコイド(ステロイド)
- いわゆるステロイドで、強力な抗炎症作用や免疫抑制作用を持ちます。
- 通常はのみ薬を使用しますが、重症の場合はパルス療法(大量点滴)を行うこともあります。
主な副作用(長期間使用した場合)
- 正常な免疫の低下による感染症
- 満月のように顔が丸くなるムーンフェイス
- 肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、骨粗しょう症、不眠、抑うつ
- 薬を急に中止すると「離脱症状」(けん怠感、血圧低下、ショック状態など)が起こることもあります。
免疫調整薬と免疫抑制薬
免疫調整薬
- もともとはマラリア治療薬として開発されました。
- SLEによる炎症を抑え、免疫の働きを整える作用があります。
- SLEのほぼすべての患者さんで最初に使用されます。
- 副作用として、まれに網膜症や皮膚症状、吐き気、下痢などが起こることがあります。
免疫抑制薬
- 免疫機能全体を強力に抑制します。
- 腎臓に炎症をきたすループス腎炎を発症した場合や、重症の場合には、グルココルチコイドと併用されます。
- 免疫を抑えることによって感染症にかかりやすくなることや、血液細胞を正常につくれなくなる骨髄抑制、胎児への影響(流産・奇形)に注意が必要です。
生物学的製剤
- 従来の治療で効果が不十分な場合に用いられる新しい薬です。
- 免疫の異常に関わる特定のたんぱく質に働きかけ、自己抗体が産生されるのを抑えます。
日常生活での注意点
- SLEでは紫外線が病状を悪化させることがあるため、外出時は帽子・日傘・サングラス・日焼け止めなどで紫外線対策を行うことが重要です。
当院の全身性エリテマトーデス(SLE)に対する取り組み
当院では全身性エリテマトーデス(SLE)に対してAWG療法(自費)を行っています。
