今こそ知りたい!目のトラブル 「ドライアイ改善 最新情報」(きょうの健康)
目の乾きや不快感、疲れなどを感じる病気「ドライアイ」。涙の量や働きが低下することで起こるため、「涙の病気」と呼ばれることもあります。国内の患者数は増加傾向にあり、2,000万人を超えると推定されています。その原因は、社会の高齢化、パソコンやスマートフォンの長時間使用、エアコンによる室内の乾燥など多岐にわたります。ここでは、ドライアイの3つのタイプや早期発見のためのセルフチェック、2026年に登場した最新の治療法について詳しく解説します。
涙の病気ドライアイの現状と原因
ドライアイは、別名「涙の病気」とも呼ばれる現代病のひとつです。現在、国内の患者数は2,000万人を超えると推定されており、非常に身近な疾患となっています。ドライアイは、涙の量や働きが低下することで、目に乾きや不快感、疲れが生じる病気です。その背景には、高齢化の進行や、パソコン・スマートフォンの普及による生活習慣の大きな変化、エアコンの使用による室内の乾燥といった生活環境の変化が密接に関係しています。
瞳の健康を守る涙の層と仕組み
涙(涙液)には、目を外界の刺激や乾燥から守るという重要な役割があります。涙は単純な水分ではなく、大きく分けて2つの層で構成されています。
| 液層 | 内側の層。ムチンという成分が含まれており、涙を目の表面にとどめる働きをしています。 |
|---|---|
| 油層 | 外側の層。油分が含まれており、液層の水分が蒸発するのを防ぐ役割を担っています。 |
現代社会でドライアイが増加する主な要因
涙は、通常3~6秒に1回行われる「まばたき」によって、常に新しいものへと入れ替わり、目の表面を潤しています。しかし、パソコンやスマートフォンの画面を長時間凝視していると、自然とまばたきの回数が減少してしまいます。これにより、涙の水分が蒸発しやすくなったり、涙の層が崩れたりすることで、目に乾きが生じドライアイの発症につながります。
ドライアイの可能性を確認するセルフチェック
ドライアイ研究会によるセルフチェック項目をご紹介します。以下の症状に心当たりがないか確認してみましょう。
- 目が疲れる
- 目が重たい感じがする
- 目がゴロゴロする
- 目が乾いた感じがする
- 目がヒリヒリ痛い
- 目が赤くなりやすい
- 目がかゆい
- 目の不快感がある
- 朝、目が開けにくい
- 光をまぶしく感じやすい
- 白っぽい目やにが出る
- なんとなく見えづらい
- 時々かすんで見える
- 最近少し視力が低下したようだ
上記の14項目のうち、5項目以上に当てはまる場合はドライアイの可能性があります。目の病気は専門性が高いため、改善が見られない場合はドライアイを専門とする眼科医を受診することをお勧めします。
眼科で行われる代表的な検査方法
眼科では、ドライアイの診断とタイプ分類のために以下のような検査が行われます。
| シルマー検査 | 試験紙を用いて涙の分泌量を直接調べる検査です。 |
|---|---|
| BUT検査 | 涙を色素で染め、まばたきを止めてから涙の層が崩れるまでの時間を計測します。 |
これらの検査結果から、ドライアイは主に以下の3つのタイプに分類されます。
水濡れ性低下タイプ
「水濡れ性低下タイプ」は、2016年から診断されるようになった比較的新しい概念です。涙の量は十分であっても、角膜の細胞にある膜型ムチンの量や質に問題があるため、涙が目の表面にうまく広がりません。更年期の女性や20代の男性に多く、コンタクトレンズの装用やパソコン作業が影響するとされていますが、原因不明なケースも少なくありません。
涙液減少タイプ
医療機関を受診する患者さんの中で最も多いタイプです。涙を分泌する涙腺の働きが低下することで起こります。涙腺は男性ホルモンによって活性化されるため、女性の方が2倍ほど発症しやすい傾向にあります。加齢のほか、関節リウマチやシェーグレン病などの自己免疫疾患が関係することもあります。
涙が蒸発しやすいタイプ
まばたきの回数が減ることで、涙がどんどん蒸発してしまうタイプです。主にデスクワークでの長時間作業やスマートフォンの多用など、現代特有のライフスタイルが主な原因と考えられています。
ドライアイの治療法と最新の治療薬
ドライアイの治療は、主に点眼薬による薬物療法が行われます。軽度の場合は、人工涙液やヒアルロン酸製剤などで目に潤いを与えます。中等度以上の場合は、涙の分泌を促進する薬や、ムチンの産生を助けて涙を目の表面に保持する薬が選択されます。
また、2026年4月には世界初の作用機序を持つモツギバトレプという新薬が登場しました。これは、これまでの薬とは異なり、過敏になった角膜の神経に直接働きかけて症状を和らげるものです。特に治療が難しかった「水濡れ性低下タイプ」への高い効果が期待されています。
市販の目薬を使用する際の注意点
軽度のドライアイであれば、市販の目薬で症状が緩和されることもあります。しかし、ドライアイのタイプによっては処方薬でなければ十分な効果が得られないケースも多々あります。市販薬をしばらく使用しても症状が改善しない場合は、早めに専門医の診察を受けるようにしましょう。
放置によるリスクと症状の悪化
ドライアイを放置すると症状は徐々に進行します。単なる乾きだけでなく、強い不快感や慢性的な痛みを感じるようになります。さらに、まばたきのたびに目とまぶたが摩擦を起こし、角膜の神経が過敏になることで、日常生活に支障をきたすほどの痛みに発展する恐れがあるため注意が必要です。
当院での治療
当院ではドライアイに対して、AWG療法(自費)を行っています。
