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健康長寿!体と心をつくる 「転倒しない! カンタン運動と環境づくり」(きょうの健康)

[2026.01.17]

今年も元気に過ごしたい!

日常生活が制限されず、健康で自立した生活を送ることのできる期間である健康寿命を延ばすためには、転倒予防が大切

どこでどのように転倒するのか?

実は転倒の半数は自宅で起こっている。

何かにつまずく、滑る、バランスを崩す、この3つが主な要因。

「二重課題の運動」や「バランスアップ運動」、また、転倒しにくい自宅の環境整備のポイントなど、効果的な対策を具体的に紹介する。

健康寿命とは?

「健康寿命」とは、日常生活が制限されず、健康で自立した生活を送ることができる期間を指す。

厚生労働省の調査では、2022年の日本人の平均寿命は男性では81.05歳、女性では87.09歳。

一方、健康寿命は男性では72.57歳、女性では75.45歳。

平均寿命と健康寿命の差は10年前後となるが、この期間は「要介護」や「寝たきり」の状態が含まれ、“不健康な期間”ともいえる。

この期間をできるだけ短くして、健康長寿を目指しましょう。

高齢者の転倒と骨折・要介護リスク

「要介護」の原因として多いのが「転倒」です。

高齢者の約3割は1年に1回以上転倒している。

転倒により骨折することも少なくない

高齢者の場合、たとえ筋肉が十分あり、歩くのが速い人でも、転倒・骨折をきっかけに要介護状態になることがある

健康寿命を延ばすためには、「転倒予防」が大切

自宅での転倒が多い理由

転倒の半数は家の中で起こる。

高齢になって家の中で過ごす時間が増えるだけでなく、家の中は転倒しやすい環境であることも関係している。

家の中のどこにどんな転倒リスクが潜んでいるかみていきましょう。

居間

居間では、敷居や電気コード類、カーペットの縁のほか、床に置いたものにつまずく。

玄関

玄関では、靴を履いたり脱いだりするときに、バランスを崩す。

寝室

寝室では、布団やベッドから起き上がるときに、立ちくらみが起こり、バランスを崩す。

廊下

廊下では、スリッパが脱げかけて、つまずく。

台所

台所では、床にこぼした水や油などですべる。

家の中どこでも

家の中で、方向転換するときに足がもつれて、バランスを崩す。

家の中で転倒する要因をまとめると、「何かにつまずく」「バランスを崩す」「すべる」の3つに分類される

高齢になると転倒しやすくなる理由とその対策を、要因ごとにみていきましょう。

つまずきの原因と対策

人間の歩行では、後ろ側の足が床から離れるとき、足先は床を向いている

高齢者では、このとき、足先が床からあまり離れていないことがあるため、足先が床などに引っかかってつまずく

障害物も段差もなにもない平らな床でも起こる

2つのことを同時に行う「二重課題」で歩いているときに特に起こりやすくなる

みそ汁をこぼさないことに意識が集中するために、足元への意識が薄れて、後ろの足があまり上がらなくなることがあり、そのためにつまずく

高齢になると、足腰はしっかりしていても、こうした二重課題が次第に苦手になってくることがよくある。

つまずき予防に効果的な「二重課題の運動」

前後にステップするのを繰り返しながら、課題をこなす運動

  1. ステップ1:基本のステップ
    まずステップのしかたですが、「右足」「左足」と順に前に1歩ずつ踏み出して足をそろえる。
    今度は後ろに「右足」「左足」と順に1歩ずつ戻る。
    これを、1秒間に2歩動くペースで繰り返す。
  2. ステップ2:計算を取り入れる
    この動きに慣れたら、「計算」をしながら前後のステップを行う。
    例えば、「100から3ずつ引く」などが行いやすい。
    答えの数字を声に出すタイミングは、「必ず右足を踏み出すタイミングにする」と決めて行う。
    計算を間違えた場合も、その数字から3ずつ引いて続ける。

この運動は1回に60秒間ほど続け、1日2回を目安に行えるとよい。

計算だけでなく、「野菜の名前」を言ったりして、誰かと一緒に楽しんで行うと、運動を習慣化しやすくなる。

スリッパによるつまずきとその対策

スリッパを履いた歩行で、後ろ側の足の足先を床に向けたとき、スリッパが脱げかけて床などにひっかかり、つまずくことがある。

特に、スリッパに履き替えたときに、スリッパの奥まで足を入れずに歩き出すと、つまずくリスクが高くなる。

スリッパは、必ず奥まで足を入れてから歩き出すようにしましょう。

バランスを崩す原因

高齢になると、体のバランスを保つ能力が低下する。

特に家の中で方向転換するとき、ちょっと右に曲がる、ちょっと左に曲がるというときに、足がもつれて転倒しやすくなる。

バランス能力を高める運動

この運動は、片脚立ちで行う運動

  1. ステップ1:基本の片脚立ち
    まず、転倒予防のために、壁を横にして立ち、片方の手を壁につく。
    壁には触れる程度で体重をかけすぎない。
    そして、壁とは反対側の脚を上げ、30秒間を目安に上げたままにする。
    今度は反対側を向き、反対側の脚も同様に行う。
  2. ステップ2:脚を前後に振る
    この運動が無理なくできる人はレベルを上げてみましょう。
    上げた脚をそのまま前後に振ります。
  3. ステップ3:円を描く
    この運動も無理なくできる人は、さらにレベルを上げてみましょう。
    上げた脚で4秒かけて円を描きます。
    これを4回を目安に行います。
    反対回りでも4回、円を描き、同様に反対側の脚も行います。

滑る原因と対策

高齢になると、動体視力が低下することで、歩きながら床の状態を把握することが難しくなってくる。

床がすべりやすい状態だということに気付かず、すべって転倒することがある。

歩きながらでも、すべりやすい床かどうかをきちんと把握できることが大事。

これも二重課題の歩行であるため、「二重課題の運動」を行う。

家の中では「厚手の靴下」ですべることが多いため、靴下には注意しましょう。

転倒を防ぐ!家の中の環境整備

転倒を防ぐためには、家の中を転倒しにくい環境に整えることも欠かせません。

  • 敷居に対しては、ホームセンターや通販などで、段差をなくすためのスロープを購入することができる。
  • 電気コードなどのコード類は、結束バンドなどでまとめて、壁に沿わせたり、部屋の奥にまとめましょう。
  • 床にはできるだけ物を置かないようにする。「こたつの布団」などでつまずいたり、すべったりすることも多いため、くれぐれも注意しながら使いましょう
  • 玄関には、靴を履いたり脱いだりしやすい高さのいすや台を置き、そこに座って行うと安全。
  • 寝室には、布団やベッドのそばに置いて使う「手すり」をレンタルする方法がある。
  • 台所などのすべりやすい場所には、「すべり止めマット」を敷く。近くにぞうきんを数枚常備し、水や油がはねたら、すぐに拭き取るようにする。

当院での転倒対策

当院では転倒対策として、運動器リハビリテーション(予約制)を行っています。

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