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肩こり腰痛の悩み こんな広告に要注意!(きょうの健康)

[2026.03.03]

あん摩マッサージ指圧、整体などの「医業類似行為」。なかには法的資格がないのに医療まがいの行為をしているケースもあり、事故も報告されている。事態を重くみて、厚生労働省はこうした施術の看板やちらし、ウェブサイトの広告の“適切なあり方”を示すガイドラインを公表した。不適切な広告につられて施術を選択し、後悔することのないように、広告を見る際のポイントや、施術を受ける際の注意点を伝える。

医業類似行為による事故の実態

肩こりや腰痛を感じたとき、あん摩マッサージ指圧や整体・カイロプラクティックといった、主に器具を使わず手を使って行う「医業類似行為」といわれる施術を利用する人が少なくありません。

しかし、こうした施術のなかには、法的な資格がないのに、医療まがいの行為を行っているケースもあり、事故の報告が相次いでいます。

2020年11月の総務省の報告書によれば、「事故情報データバンク」で分析対象となった、平成26年度から29年度の医業類似行為による事故件数は1534件(国家資格の有無を問わずに調査したもの)。内訳は、神経・脊髄損傷が274件、擦過傷・挫傷・打撲傷が181件、骨折が134件でした。この1534件の中で、その後、医療機関を受診していたのは626件で、なかには治療に1か月以上かかったケースが251件と、重いケースも含まれていました。

厚生労働省による広告ガイドラインの公表

厚生労働省は、医業類似行為で事故が相次ぐ事態を重くみて、2025年2月、「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表しました。施術を選ぶときに利用者が参考にすることの多い「広告」についてのガイドラインです。

「あはき」とは、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅう、のことです。「柔整」とは柔道整復のことで、接骨やほねつぎと呼ばれるものです。これらは「国家資格」に基づいて行われる施術です。

具体的には、文部科学省、または厚生労働省が認定した学校・養成施設、つまり専門学校・大学で3年以上の教育を受けて、さらに国家試験に合格した人のみが行える施術、となります。そして施術所を開設するときには都道府県知事や保健所に届け出が必要です。人の体にかかわる施術のため、安心安全に行われる必要があり、厳密な資格となっています。

あはき、柔道整復の広告については、これまでも「誰が・どこで・何を行うのか、という情報をしっかり書きなさい。それ以上は広告してはいけません」というルールがありました。しかし、情報化社会になった現在、広告について、これまでのようなルールでは不十分だと考えられるようになり、新たなガイドラインが作られることになりました。

こうした施術を受けようとする人は広告を参考に選ぶことが多く、不適切な表現の広告に惑わされて施術を選択すると、正しい治療・施術を受ける機会も奪われることにつながります。利用者が見て、わかりやすく、かつ正しい内容の広告はどうあるべきか、専門家で検討して内容を整理しました。

また、今回のガイドラインでは、国家資格のない、整体・カイロプラクティック・リラクゼーション・リフレクソロジー・骨盤矯正など、いわゆる“民間療法”の医業類似行為についても、広告の表現が利用者に過度な期待を抱かせたり誤解させたりしていないかどうか、具体的に検討しました。

広告の可否事例

広告可能な例

国家資格の有無は利用者にとっても最も重要な情報です。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師については、国家資格保有と広告することが可能ですし、むしろ積極的に広告してほしい内容です。

広告不可な例

一方、広告不可な例は、「伝統鍼灸」・「整体」などです。伝統鍼灸といいますと鍼灸よりも特別な資格のように思えますが、民間資格を持っている、あるいは、伝統鍼灸のように外国にある類似資格を持っている、などということを誤認させる広告は出来ません。また、整体のように、国家資格として認められていないものについても広告不可となります。

“施術所の名称”についても、A施術所・B施術院・C鍼灸院・D接骨院などの名称は広告可能ですが、A治療所・Bメディカル・Cリハビリなど、病院または診療所と誤解する恐れがある文言を含んでいる名称は広告不可となります。

また、女性専門療院・交通事故専門・アスリート専門など、対象者を限定するもの、背骨専門・電気療法・姿勢改善・背骨矯正など、技能、方法を含んでいる名称や、優良な施術所と思わせる名称も使ってはいけません。

電話番号の広告について

施術所の電話番号・所在地などは利用者には重要な情報となります。そのためフリーダイヤル・電話の受付時間・案内図などの記載は可能です。しかし、電話番号でも1374(いたみなし)、3776(みななおる)など電話番号を語呂合わせにしたものにルビをふってはいけません。ルビをふることで、施術者の技能などを暗に示すことになるからです。

ほかにも、○○流指圧・○○国公認○○資格・有名人のトレーナーなど、技能・経歴についても広告できないことになっています。

保険適用の表記に関する注意点

あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復では、保険が適用される場合があります。ただし、適用される疾患や条件は手技ごとに細かく決められています。マッサージでは、筋肉まひや関節の拘縮があって、あらかじめ医師が同意している場合だけです。疲労回復や慰安を目的とするようなものは対象となりません。はり・きゅうでは、主に神経痛・五十肩など、慢性的な痛みの治療、これもあらかじめ医師が同意している場合に限られます。

柔道整復では、骨折・脱臼の初期(緊急時)の整復・固定は保険が適用されます。しかし、継続的な治療では医師の同意が必要になります。一方、打撲・ねんざでは合併症・後遺症につながることが少ないため、柔道整復師の施術に保険が適用されます。こうした保険適用の有無は利用者にとって有益な情報となりますので広告が可能です。

国家資格のない施術における広告の注意点

たとえば「マッサージ」という施術は、あん摩マッサージ指圧師という国家資格のある人が行う施術です。国家資格がないのに「マッサージ」という語句を使うことは国家資格ある人の行う施術をしているように誤解を招いてしまいます。今回のガイドラインではそうした表現はしてはいけない、と明記されました。

また、「腰痛」「ひざの痛み」などの症状の場合、医療機関を受診する必要があることもあります。医業類似行為の広告で、「腰痛の施術」「ひざ痛の施術」という表現はすべきでないとしました。

ほかにも「安い」「早い」「すぐに利用しないといけない」など、購買意欲を誘う表現もよくないとされました。

ウェブサイト広告における注意点

ウェブサイトの広告では、問い合わせ先・自費の施術内容と費用・自費の施術の主なリスク・副作用は掲載すべき情報となります。自費の施術については、保険適用の治療とは違い、施術者が自由に施術内容・価格を決めることができます。施術の内容と費用について、利用者が納得した上で施術を受けることができるように、事前に公表する必要があります。施術のリスクや副作用についても、利用者が知っておかないといけない情報なので掲載されるべきです。一方で“絶対安全”“絶対治る”という表現、使用前後の写真の掲載、「口コミサイトで1位!」などの表現は根拠が不確かで誇大広告となるので掲載すべきではありません。

医業類似行為を受ける際の注意点

医業類似行為を受けるとき、まず、持病がある人は受ける前に医師に相談するようにしましょう。腰痛の症状の裏に、がんなどの思いがけない病気が隠れていて、施術を受けてかえって悪化してしまうこともあるからです。施術や施術者は慎重に選ぶようにしましょう。利用時には体調や希望を伝えることも大事です。その施術が希望に合ったものなのかどうか確認をします。また、体調の異常を感じたら、施術を受けた施設に連絡し、早く医師に相談するようにしましょう。必要ならば消費生活センターなどへ連絡してください。

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