「胃」のトラブル…春は起きやすい!?胃もたれ・胃痛・胸焼け「胃の三大トラブル」対処法(健康カプセル!ゲンキの時間)
胃は不調が表に出やすい「おしゃべりな臓器」とも言われます。寒暖差や環境の変化によるストレス、歓送迎会での暴飲暴食などが重なる春は、特に胃のトラブルが起こりやすい季節です。胃の不調を放置すると、胃潰瘍や胃がんなどの深刻な病気につながる恐れがあるため、重症化する前に正しく対処することが大切です。今回は、胃の三大トラブルである「胃もたれ」「胃痛」「胸焼け」の適切な対処法を解説します。
春の季節に胃の不調が起こりやすい理由
胃には、食べたものを一時的に溜める機能や、胃酸で消化して腸へ送り出す機能があります。これらの働きは自律神経によって無意識に調整されていますが、季節の変わり目は自律神経のバランスが崩れやすく、胃の不調に直結します。自律神経を乱すような間違った対策は症状をさらに悪化させる可能性があるため、正しい知識を持つことが重要です。
胃もたれ対策の鍵を握る「FODMAP」とは
胃もたれ対策において、近年注目されているのがFODMAP(フォドマップ)という概念です。これは、腸で吸収されにくく、発酵しやすい糖質の総称を指します。
| F | 発酵性(Fermentable) |
|---|---|
| O | オリゴ糖(Oligosaccharides) |
| D | 二糖類(Disaccharides) |
| M | 単糖類(Monosaccharides) |
| A | AND |
| P | ポリオール(Polyols) |
FODMAPが多い食品を摂取すると、腸の働きが過剰になり下痢を引き起こしたり、大腸で発酵して大量のガスが発生し、便秘の原因になったりします。これらは胃腸への負担が大きいため、胃もたれを感じる時には摂取を控えるのが望ましいとされています。
高FODMAP食品と低FODMAP食品の分類
胃腸の負担を軽減させる食事療法として、低FODMAP食品を選択することが世界的に推奨されています。主な食品の分類は以下の通りです。
| 分類 | 該当する食品の例 |
|---|---|
| 高FODMAP食品 | 納豆、パン、リンゴ、キノコ、ハチミツ、ウーロン茶、タマネギ、ニラ、アスパラガス、ゴボウ、ニンニク |
| 低FODMAP食品 | ご飯、ブロッコリー、オレンジ、トマト、バター、麦茶、ショウガ、カボチャ、ニンジン |
なぜ高FODMAP食品で胃もたれが起きるのか
例えば、低FODMAPのご飯は小腸でスムーズに栄養が吸収されますが、高FODMAPのパンなどは小腸で吸収されにくく、大腸で発酵してガスを発生させます。これにより、小腸の内容物が大腸へ送られにくくなり、その上にある十二指腸も詰まった状態になります。結果として、胃から消化物を送り出せなくなり、食べたものが胃に停滞することで胃もたれが発生します。
注意したい意外な食品
- 牛乳・乳製品:二糖類である乳糖を多く含むため、胃もたれの時は逆効果になる場合があります。
- 小麦製品:うどんやパンなどは高FODMAPに分類されるため、胃もたれ時は「そば(十割)」や「ご飯」がおすすめです。
- タマネギ:高FODMAPの代表格であり、ドレッシングに含まれる少量のものでも注意が必要です。
胃痛の原因と知覚過敏へのアプローチ
胃痛を感じる方の多くは、胃が知覚過敏の状態にある可能性が高いと考えられます。これは、通常なら気にならない程度の刺激に対して、痛みや不快感を過剰に覚えてしまう状態です。健康な時なら問題のない少量の香辛料や冷たい飲み物でも、強い痛みを感じることがあります。
胃の知覚過敏を悪化させる要因
胃の知覚過敏を引き起こす最大の原因は、自律神経の乱れです。自律神経が乱れると胃酸の分泌が過剰になり、その胃酸に胃粘膜が過剰反応することで痛みが生じます。カフェイン、アルコール、香辛料などの刺激物は胃酸の分泌をさらに促進させるため、控えるべきです。
慢性的な胃痛を改善するステップ
慢性的な痛みがある場合は、以下の手順で生活習慣を見直してみましょう。
-
ステップ1:十分な休息とリラックス
まずは心身を休め、乱れた自律神経を落ち着かせることが最優先です。 -
ステップ2:軽い有酸素運動の導入
週に2〜3回、1回30分程度のウォーキングを行い、副交感神経を優位にします。 -
ステップ3:無理のないストレッチ
激しい運動は避け、軽いストレッチなどで胃の働きを整えていきます。 -
最終ステップ:専門医への相談
生活習慣を改善しても痛みが続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
新たな国民病「機能性ディスペプシア」
内視鏡検査で胃潰瘍やがんなどの異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれや胃痛が続く病気を機能性ディスペプシアと呼びます。国内では10人に1人が該当すると言われるほど身近な病気です。これも自律神経が深く関わっているため、睡眠不足を解消し、ストレスを避ける生活を心がけることが対策となります。
胸焼けのメカニズムと対策
胸焼けは、胃と食道の間にある括約筋が緩み、胃酸が逆流することで起こります。みぞおち周辺がムカムカするのが特徴です。
胸焼けを悪化させるNG習慣
- 炭酸飲料の摂取:ゲップが出る際、胃酸が一緒に食道へ押し上げられてしまうため逆効果です。
- 脂肪分の多い食事:脂肪の消化を助けるホルモンには括約筋を緩める作用があるため、逆流を招きやすくなります。
胃酸の逆流を防ぐ正しい寝姿勢
夜寝る時の姿勢を工夫するだけで、胸焼けの症状を軽減できる場合があります。胃は体の左側が膨らんでいる形状をしているため、左側を下にして寝ると胃酸が溜まりやすく、逆流を防ぎやすくなります。
| 寝る姿勢 | 胃への影響 |
|---|---|
| 左側を下にする | 胃の構造上、胃酸が食道へ逆流しにくい。 |
| 右側を下にする | 胃液が食道へ流れ込みやすくなり、胸焼けの原因となる。 |
| うつ伏せ | 胃が圧迫されるため、逆流のリスクが最も高い。 |
さらに、仰向けで枕を高くして寝ることも、上体を起こして重力を利用し、逆流を抑えるのに効果的です。胸焼けを放置すると逆流性食道炎や食道がんのリスクが高まるため、早めのケアを心がけましょう。
当院での治療
当院ではAWG療法(自費)を行っています。
