肝臓がん 早期発見・徹底治療 「手術や薬物療法の効果とは」2025.12.16 きょうの健康
肝臓がんの治療法
肝臓がんの9割を占めている肝細胞がんの主な治療法は以下の通りです。
- 手術
- 焼灼療法
- 肝動脈化学塞栓療法
- 薬物療法など
治療法選択の指標
肝臓がんの治療法は、患者の状態を総合的に診察して選択されます。
- 特に重要な指標ががんの大きさや数、がんの広がり、そして肝臓の予備能(肝臓の働きがどのくらい残っているか)です。
- 肝臓がんの患者の多くは、肝臓に炎症を抱えるなどして、肝機能が低下しているため、肝臓が治療に耐えられるかどうかを確かめるために、肝臓の予備能も考慮する必要があります。
- 肝臓がんの治療では、「診療ガイドライン」を目安に、外科医や内科医、ほかの診療科が連携しながら治療法が検討されます。
手術
手術には開腹手術と腹腔鏡手術があります。
- 開腹手術は、がんが大きい場合や複雑な位置にあるといった場合に行われます。
- 腹腔鏡手術は、傷口が小さくて済むため、患者の体への負担を軽減できます。
- 腹腔鏡手術は時間がかかるという側面があり、患者さんの体力が衰えている場合は、早く終わらせることを優先し、開腹手術の方が結果がよいこともあります。
- 手術は、がんを直接取り除くことができ、局所再発の懸念が最も少ない治療です。
- 手術を行った場合の5年生存率は70%以上です。
焼灼療法
おなかの上から肝臓がんに直接、電極針を刺し、がんを焼き固めて死滅させる治療法です。
- 手術のようにおなかを切らないので、体への負担が少なくて済みます。
- がんが小さく、がんが血管に接していない場合には最適な治療法です。
- 適切な条件で行えば、手術と比べても治療の効果や生存率に差はなく、5年生存率は70%程度です。
- がんが大きい場合や、肝臓の奥深く、または表面などにある場合は、焼きにくく、焼き残しのリスクが高くなるため、焼灼療法ではなく、手術が検討されます。
肝臓がん再発について
肝臓がんの注意すべき特徴として、適切な治療を行っても「再発しやすい」という点があります。
- 治療後2年以内に、約半数の患者さんに再発が起きることもあります。
- 肝臓がんの治療後は、3か月ごとに血液検査や超音波検査を行います。
- 6か月ごとにCTまたはMRIなどの画像検査を行うことが推奨されています。
手術後、間もない再発や、再発でがんが広がった場合に行われるのが、「肝動脈化学塞栓療法」や「薬物療法」です。
肝動脈化学塞栓療法
カテーテルを用い、がんへ流れる血管に抗がん剤と塞栓物質を直接注入する治療法です。
- 抗がん剤でがんの増殖を抑えつつ、塞栓物質で血流を遮断することでがんを兵糧攻めにします。
- 根治率という面では手術や焼灼療法に劣るが、体への負担は少ない治療法です。
- がんの数が多く手術が難しい場合、手術後に間もなく再発した場合、大きな治療に耐えられない高齢の場合に多く行われます。
薬物療法
ほかの臓器にがんが転移しているなど、がんが進行している患者さんに行われます。
- がんを小さくしたり、進行を抑えたりすることで、生存期間を延ばす効果が期待できます。
- 肝臓がんの薬物療法では、主に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が用いられます。
分子標的薬とは
- がん細胞に特に多く出ている分子を狙い撃ちする薬です。
- 効果が高く、従来の抗がん剤で見られるような副作用が少ないです。
- 肝臓がんでよく使われる分子標的薬は、「血管を新しく作る指令を出す分子」などを標的にします。
- 血管からがんへの栄養供給を止め、がんの増殖を抑えることができます。
免疫チェックポイント阻害薬とは
- がん細胞は自分が生き延びるために、免疫細胞からの攻撃に“ブレーキ”をかけています。
- 免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞のブレーキを解除して、免疫細胞ががん細胞へ攻撃できるようにします。
その他の治療法
- 肝機能が悪い場合、肝臓ごとがんを取り除き、機能のよい肝臓と入れ替える肝移植
- 放射線治療や緩和ケアという選択肢もあります。
- がんの進行度や年齢なども考慮し、担当の医師とよく相談して治療法を選択することが大切です。
当院では肝臓がんに対してAWG療法(自費)を行っています。
