みんなの相談室 「背骨の変形」(きょうの健康)
「中学生のときに側わん症だと言われ、最近腰痛があるが、今からでも受診したほうがいい?」「側わん症でサプリメントをのんだりエクササイズをしたりしているが、私の方法は正しい?」「脊柱管狭窄症で手術はしたくないので、エクササイズを教えてほしい」など、視聴者から寄せられた切実な悩みに対して専門家が詳しく回答します。また、側わん症のお子さんが日常生活で気をつけるべき点や、年齢とともに変化する背骨のトラブルへの備えについても解説します。
中学時代の側わん症と大人になってからの腰痛|受診のタイミング
中学生のころ、学校の検診で側わん症と言われ、病院に1度行きましたが、それ以来行っていません。腰や背中が痛いときがあるのですが、側わん症の影響なのでしょうか?病院には、今からでも行ったほうがいいのでしょうか?
専門医による解説とアドバイス
側わん症は、背骨が左右に曲がってしまう病気です。8割は思春期の女子に多い原因不明の特発性側わん症と言われており、ご相談者様もその可能性があるでしょう。現在感じている腰や背中の痛みが側わん症によるものかは、検査をしないと判断できません。痛みが強いようなら、まずは一度、医療機関を受診して原因を調査することをお勧めします。
側わん症の進行状況はエックス線検査で明確にわかります。定期的に経過観察を行い、曲がりの状態を記録しておくことが大切です。
20代の方はすでに成長期を過ぎているため、コルセットによる装具治療ではなく、生活上の注意や運動療法によってなるべく良い姿勢を維持できるよう指導するのが一般的です。もし痛みが続き、生活の質(QOL)が保てないほど変形が進んでいる場合は手術治療も検討されますが、いずれにしてもまずは現状の曲がりの状態を知ることが不可欠です。
自己流の側わん症対策|サプリメントやエクササイズの正しい知識
背骨が右に大きくわん曲しています。自分で治す努力として、以下の3つを始めました。この方法は、正しいでしょうか?
| 取り組んでいる内容 | 詳細 |
|---|---|
| サプリメント服用 | ヒアルロン酸とコンドロイチンの粉末を摂取 |
| 背伸び | できるだけ背筋を伸ばすように意識している |
| 運動 | 週3〜4回、ストレッチとスクワットを約20分行う |
専門医による解説とアドバイス
まずサプリメントについてですが、これは直接的に骨のわん曲を治すものではありません。側わん症は背骨の立体的なねじれが原因であるため、服用だけで進行を止めたり矯正したりすることは困難です。ただし、骨を強くしたり筋肉量を維持したりする補助的な役割としては意味があるかもしれません。
運動療法についても直接わん曲を治すことはできませんが、適切に行えば進行の抑制や症状の緩和が期待できます。
- 背伸び:重力で圧迫されがちな脊椎にスペースを作り、神経への負担を減らす効果があります。
- ストレッチ:筋肉のアンバランスを整え、腰痛や背中の痛みを予防します。
- スクワット:下半身の土台を安定させ、背骨にかかる不自然な負担を軽減します。
ただし、側わんのタイプによっては特定の方向に曲げる動きが逆効果になるリスクもあります。必ず主治医に自分にとって安全な動きかを確認した上で、無理のない範囲で継続してください。
脊柱管狭窄症の痛みとしびれ|手術を避けるための運動療法
脊柱管狭窄症で右のでん部から足先まで痛みとしびれがあります。私は手術をできるだけ避けたいと思っています。自宅でのトレーニングやストレッチを教えてください。
専門医による解説とアドバイス
脊柱管狭窄症は、神経が通る管(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じる病気です。側わん症によるねじれや、圧迫骨折による骨のつぶれが原因で物理的に狭くなることもあります。
重要な点として、運動療法によって狭くなった脊柱管そのものを広げることはできません。運動の目的は、体の安定性を高めて痛みの出にくい状態を作ることです。自己判断で間違った運動をすると、かえって脊柱管を狭める恐れがあるため、必ず専門家から指導を受けてください。
早急に手術を検討すべき症状
基本的には保存療法(運動療法など)で様子を見ますが、以下の症状がある場合は神経への圧迫が深刻なサインです。早急に手術を検討する必要があります。
- 尿が出にくい、漏れるといった排尿・排便障害がある。
- スリッパが脱げる、つまづきやすいなど、明らかな筋力の低下が見られる。
- 安静にしていても激痛が続く。
成長期の側わん症|お子さんの日常生活で親が気をつけること
成長期のお子さんを持つ親御さんから、「日常、どのような生活をさせたらいいですか?」という質問を多くいただきます。
専門医による解説とアドバイス
側わん症だからといって、過度に制限を設ける必要はありません。むしろ外で元気に遊び、運動することを奨励したいです。特定の禁止すべきスポーツも一般的にはありません。
注意したいのは、スマホやゲームの長時間利用による姿勢の悪化です。成長期に多様な動きを経験することは、バランス感覚を養う上でも重要です。子ども自身は自分の体の変化に無頓着なことが多いため、周りの大人が肩の高さや背中の盛り上がりに目を配ることが大切です。診断を受けている場合は、定期的な通院による経過観察を欠かさないようにしましょう。
生涯を支える「背骨」のケア|年齢別のリスクと備え
背骨は人間の体を支える大黒柱であり、脳と全身をつなぐ神経を守る重要な役割を担っています。この背骨は年齢とともに変化し、さまざまなリスクにさらされます。
赤ちゃんの時は「C」字型だった背骨は、歩行とともに良好な「S」字カーブを描くようになります。しかし、加齢とともに椎間板が傷み、骨粗しょう症や筋力低下によって姿勢が崩れていきます。二足歩行をする人間にとって、背骨のトラブルは避けて通れない課題です。
将来の変形を防ぐための生活習慣
- 筋肉の維持:背骨を支えるための筋力をキープする。
- 正しい姿勢:壁に背中をつけたり、鏡を見たりして定期的にチェックする。
- 栄養摂取:たんぱく質やカルシウムを意識的に摂る。
あらかじめ年齢ごとのリスクを知り、自分の背骨の状態に常に関心を持つことが、健やかな生活を送り続けるための第一歩となります。
当院での治療
当院では腰痛、後弯症、側弯症、すべり症、脊柱管狭窄症に対して下記の治療を行っています。
