“腰痛” 原因を捉え直す新常識 「ひとり暮らしの“腰痛”処方せん」(きょうの健康)
腰痛が起こると、日常生活に大きな不便や不安を感じるものです。特に長引く腰痛に対しては、医療機関で適切な診断を受けた後、重大な問題がなければ活動性を維持する「ステイ・アクティブ」を心がけることが回復への近道となります。今回は、視聴者の皆様から寄せられたお悩みに対し、専門家が効果的なストレッチや日常生活での正しい姿勢について詳しく解説します。
ひとり暮らしの方が備えておくべき腰痛の知識
日常生活で強い腰痛を感じても、適切に対処できず放置してしまうケースは少なくありません。特にひとり暮らしの場合、「しばらく様子を見れば治るだろう」と受診を先延ばしにしたり、加齢のせいだと諦めて受診のタイミングを逃したりすることがあります。周囲に頼れる人が少ない環境だからこそ、腰痛の正しい知識を身につけておくことが、症状の悪化を防ぐために非常に重要です。
重篤な疾患を見逃さないための「腰痛の赤信号」
腰痛を抱える人のうち、およそ10人に1人の割合で深刻な疾患が隠れている可能性があると言われています。このような重篤な疾患を疑うべきサインは腰痛の赤信号と呼ばれ、早期の医療機関受診が強く推奨されます。
| 安静時の痛み | 日中だけでなく、横になってじっとしていてもうずく、鎮痛剤がすぐに切れる、睡眠中も痛むなどの症状。がんの転移や腫瘍、感染性脊椎炎などの可能性があります。 |
|---|---|
| 脚のしびれ | お尻から太ももにかけてジンジン、ビリビリとしびれる症状。特に両脚にある場合は重症な神経症状の恐れがあります。 |
| 隠れ骨折 | 骨粗しょう症の高齢者に多く、いつの間にか背骨が潰れる状態。放置すると連鎖的に骨折が起こる「ドミノ骨折」を招く危険があります。 |
これらの症状に心当たりがある、あるいは不安を感じる場合は、迷わず専門の医療機関を受診してください。
なかなか治らない腰痛と「恐怖回避思考」の関係
質問:70代女性「とにかく腰痛がなかなか治らない」
専門家からの回答
まずは腰痛の赤信号がないか検査し、重篤な疾患を除外することが先決です。検査で大きな異常がないとわかれば、それは「動いても良い腰痛」である腰痛の青信号と言えます。しかし、「なぜ治らないのか」と不安が強すぎると、脳が痛みに過敏になる「ぐるぐる思考」に陥りかえって治りづらくなることがあります。
このように不安から過剰に安静にしすぎる状態を腰痛の黄色信号(恐怖回避思考)と呼びます。1か月を超えても不安が消えない場合は、精神的なストレスが痛みを長引かせている可能性があるため、一度医療機関で相談することをお勧めします。
| 腰痛の青信号 | 活動的に過ごすほうが改善しやすい腰痛。 |
|---|---|
| 腰痛の黄色信号 | 不安や恐怖心から動くのを避け、痛みを長引かせている状態。 |
| 腰痛の赤信号 | がん、感染症、骨折など、早急な治療が必要な疾患。 |
ぎっくり腰の適切な処置と安静期間の目安
質問:60代女性「ぎっくり腰になり、治るまで1週間かかった。その後も動作が不安」
専門家からの回答
ぎっくり腰は急に起こる強い腰痛の総称で、原因は様々です。大切なのは、過度に心配して寝込みすぎないことです。一般的に安静は2日程度までとされており、4日以上の安静は回復を遅らせる可能性があります。痛みに応じて鎮痛薬を使いながら、早期の活動再開を目指すことが、筋力低下を防ぎ再発防止に繋がります。
歩行時のトラブルと腰部脊柱管狭窄症のサイン
質問:60代男性「歩くと腰が曲がり疲れるが、買い物カートがあれば歩ける」
専門家からの回答
歩行時に筋力低下を感じる場合は、神経の圧迫が疑われます。特に、前かがみになると楽に歩けるという症状は、腰部脊柱管狭窄症の特徴です。背筋を伸ばすと脊柱管が狭まり神経を圧迫しますが、前かがみになると道が広がり圧迫が和らぎます。まずは医療機関でMRIなどの画像検査を受け、現状を把握しましょう。
腰椎すべり症の改善に必要な可動性とセルフケア
質問:70代女性「すべり症と言われ、1日6000歩歩くよう言われたが納得できない」
専門家からの回答
6000歩という目安は一般的な健康維持の指標ですが、すべり症があっても症状が出ない方は多く、過度な心配は不要です。重要なのは、腰椎への負担を減らすために胸椎(背中の骨)と股関節の柔軟性を高めることです。これらがしなやかに動くことで、すべり症のある腰椎の過剰な動きを抑えることができます。
↓胸椎・股関節をしなやかにする運動のやり方を動画でチェック!
重い荷物を安全に持ち上げる「ハリ胸・プリけつ」姿勢
質問:50代女性「ひとり暮らしで重い段ボールを運ぶ際、腰を痛めてしまう」
専門家からの回答
まずは荷物を小分けにする、台車を使うなどの安全第一の工夫を検討してください。どうしても持ち上げる必要がある場合は、腰への負担を最小限にするハリ胸・プリけつの姿勢が有効です。
※詳しいやり方については、腰痛シリーズ「椎間板タイプ」のページを併せてご確認ください。
当院での治療
当院では腰痛に対して下記の治療を行っています。
