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肺炎 予防と治療の最新情報 「見逃さないで! 高齢者の肺炎」(きょうの健康)

[2026.02.20]

肺炎とは?高齢者の肺炎の原因と予防

肺炎で亡くなる人の多くは65歳以上の高齢者です。そして肺炎になるきっかけとして多いのが、かぜインフルエンザにかかったときです。のどや気管支の粘膜が傷ついて肺炎球菌などの細菌が侵入しやすくなるためです。また、食べ物と一緒に細菌が気管に入るために起こる誤嚥性肺炎も高齢者に多いです。肺炎予防のためには肺炎球菌インフルエンザのワクチンの併用接種がお勧めです。また、口の中を清潔に保つことも重要です。予防の最新情報を伝えます。

こんなに多い!肺炎による日本人の死亡者

肺炎は日本人の死因の5位で、年間約8万人が亡くなっています。また、第6位の「誤嚥性肺炎」を合わせると、その数は約14万人になります。さらに、第3位の「老衰」の中にも、実際は肺炎で亡くなった人も含まれていると考えられるので、その数を加えると肺炎で亡くなる人は、もっと多いと推定されます。この肺炎による死亡者の9割以上は65歳以上の高齢者です。これは、加齢によって免疫機能が低下していることに加え、基礎疾患を持っている人が多いので、感染しやすく、重症化もしやすいためだと考えられます。

肺炎とは?

肺炎は、細菌やウイルスが気管を通って肺に入り、肺胞にまで達して炎症を起こす病気です。炎症が起きると、肺胞の中が水浸しになって酸素を取り込みにくくなり、呼吸不全に陥ることがあります。脳に十分な酸素が届かないと意識障害を起こすこともあります。さらに、ほかの臓器にも酸素が行き渡らないと、複数の臓器に障害が起きて多臓器不全になり、命を落とすこともあります。

肺炎が起きる主な原因は細菌やウイルスの感染ですが、細菌のほうが多いと考えられています。具体的には、肺炎球菌インフルエンザ菌黄色ブドウ球菌などで、成人の肺炎の2~3割は肺炎球菌が原因だといわれています。ウイルス性の場合は、インフルエンザウイルス新型コロナウイルスRSウイルスなどです。そのほかに、マイコプラズマという特殊な細菌が原因になることもあります。

肺炎では、「せき」「38度以上の発熱」「息苦しさ」「胸の痛み」などの症状が現れます。特に細菌性の場合は、黄色や緑色など濃い色の「たん」が出ます。

高齢者の「隠れ肺炎」に注意!

高齢者の肺炎の場合は、激しい症状が出にくく、「せき」や「息切れ」があっても、非常に軽かったり、熱が出ても「微熱程度」だったりします。また、「体がだるい」「食欲がない」という症状しか出ないこともあります。そのために肺炎だと気がつかず、治療が遅れてしまうこともあります。

症状が出にくい理由は免疫機能の低下にあります。「高熱」や「せき」などの症状は、病原菌を排除するために体の免疫機能が働くことや、せきなどの反射が働くことによって起こりますが、高齢者では、免疫機能や反射が衰えていることが多く、そのような反応が弱くなっているために、症状がわかりにくいのです。

そのため、周りの人が高齢者の肺炎に気づくことが大切です。注意すべきサインは、「息切れ」「せきやたんが続く」「息苦しさや呼吸困難を感じる」「食欲不振やけん怠感がある」「意識がぼんやりする、または反応が鈍い」などです。家族や周りの人が、いつもと違う小さな変化を見逃さないように気をつけて、もし何か変化があれば、医療機関を受診することをお勧めします。受診することをためらう場合もあるかもしれませんが、気軽に相談できるかかりつけ医をもつことが理想です。

肺炎を引き起こす要因 

かぜやインフルエンザに注意!

高齢者が肺炎になるケースには、典型的な2つのパターンがあります。その1つはかぜインフルエンザにかかった後に肺炎になるというパターンです。インフルエンザウイルスだけで肺炎になるということもありますが、それより多いのは、かぜインフルエンザになったときに、肺炎の原因となる別の細菌に感染してしまうことです。

その理由は、細菌への防御が弱くなってしまうためです。肺につながる気管や気管支には、表面を粘液におおわれた線毛細胞が無数にあります。健康なときは、細菌などが気管や気管支に侵入してきても、この粘液にからめ取られ、線毛の動きによって口のほうに戻されます。そして、せきやたんによって排出されたり、唾液と一緒に胃に送られ、胃酸によって死滅します。

ところが、かぜインフルエンザのウイルスが、気管の粘膜に感染すると、線毛細胞が破壊されて、はがれ落ちてしまうことがあります。すると、細菌などを押し戻す力が弱まり、細菌が肺にまで達して肺炎になるリスクが高まります。また、ウイルスに感染することで菌を排除する免疫の力が弱くなったりします。

はがれた線毛細胞が元に戻るには、約3週間かかると考えられています。そのため、かぜインフルエンザにかかってしばらくの間は、肺炎を起こしやすい状態が続いてしまうのです。かぜが治ったと思っても、しばらくの間は感染に注意が必要です。

誤嚥性肺炎に注意!

高齢者が肺炎になるもう1つの典型的なパターンが誤嚥性肺炎です。食べ物や唾液などをのみ込むと、ふつうは食道へと送られますが、誤って気道に入ってしまうのが誤嚥です。このとき、細菌などが一緒に入り、肺まで達してしまうことで起きるのが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎の患者のほとんどが65歳以上の高齢者です。実は肺炎の原因となる細菌の多くは、ふだんから口の中に存在しています。これが常在菌と呼ばれる細菌です。大人の口の中にはおよそ1000億の常在菌がいるといわれ、その中には肺炎の原因になる細菌も含まれています。また、歯周病の原因となる細菌が肺炎の原因になることもあります。

高齢者が誤嚥性肺炎を起こしやすいのには、いくつか理由があります。その1つが「嚥下障害」です。食べ物をのみ込むときには、舌やのどの周辺の筋肉が連携して絶妙なタイミングで動く必要がありますが、加齢のために筋肉が衰えたり、動きの連携が乱れてしまうと、ものをうまくのみ込むことができない「嚥下障害」になり、「誤嚥」も起こりやすくなります。

通常は、誤嚥が起こっても、反射的にせきをする「咳反射」により、気管に入ったものを吐き出すことができますが、加齢によって、この「咳反射」が起こりにくくなると、異物を吐き出すことができなくなってしまいます。

何らかの持病や後遺症などがある高齢者では、食べ物をのみ込みきれなかったり、歯みがきが不十分だったりして、食べかすなどが口の中に残っていることがあります。すると細菌が繁殖しやすく、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。

高齢者や重い病気のある人は、体力や免疫が低下していることが多く、肺に細菌が侵入すると、肺炎を起こしやすくなります。

誤嚥が起きるのは食事のときだけではありません。人は眠っている間にも無意識に唾液をのみ込んでいるので、このときに唾液と一緒に多くの細菌が気管支に入ることによって、誤嚥性肺炎が起きることがあります。本来は、睡眠中でも「咳反射」は働くはずですが、高齢者や脳卒中を起こした人は、咳反射がうまくできないことが多く、細菌を排出しにくくなります。特に、寝たきりの人は、誤嚥性肺炎になりやすいのです。

肺炎の治療と予防

肺炎の治療は、原因となる細菌に合った「抗菌薬」を使うのが基本です。軽度ならのみ薬が使われ、中等度から重度の場合は入院し注射薬による治療が行われます。高齢者の多くは入院して治療を受けることになります。

肺炎の予防策

予防としては、まず原因のうち最も多い肺炎球菌のワクチンを接種することです。肺炎球菌にもいろいろ種類がありますが、23価ワクチンは、23種類の肺炎球菌の感染を抑制します。一度の接種で約5年間は有効といわれています。65歳になったときに公費助成で定期接種を受けられます。それ以外の年齢の人は任意接種になりますが、自治体によっては公費助成があります。近年、高齢者を接種対象とした結合型ワクチンも増えてきており、かかりつけ医の先生にご相談することをお勧めします。

さらに、肺炎球菌ワクチンとあわせて、インフルエンザワクチン新型コロナウイルスのワクチンも毎年接種することが勧められます。かぜの原因のウイルスの一つRSウイルスは、高齢者では重症化することもあるので、これもワクチンを接種することが望ましいとされています。

誤嚥性肺炎の予防策

嚥下障害がある患者さんは、食事のときに、あごを引く、いすに深く腰かけるなど、姿勢に気をつけることが大切です。食事を介助する際には、一口の量に気をつけて、たくさん詰め込まず、視線を合わせて介助するようにしましょう。また、食品にとろみをつけたり、まとまりやすくして、誤嚥しにくく調整した「嚥下調整食」を利用するのもよいでしょう。

ものをのみ込む「嚥下訓練」にもなるのが、「パタカラ体操」です。「パ」「タ」「カ」「ラ」という音を何度も繰り返し発声すると、ものを食べたり、のみ込むときに使う筋肉を鍛えることができます。

また、誤嚥性肺炎を防ぐためには、口の中を清潔にすることも大切です。ていねいな歯みがきに加えて、舌みがきも行いましょう。歯ブラシで舌をみがくと舌を傷つけることがあるため、市販の舌用ブラシを活用してください。毎食後と寝る前の1日4回行うことが勧められます。また、殺菌作用のある口腔洗浄剤も有効です。

当院の対応

当院では肺炎の予防策として、免疫向上のAWG療法(自費)を行っています。

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