睡眠の悩み 「眠れない原因をチェック! 快眠のための生活術」(きょうの健康)
睡眠の悩みは「睡眠時間が足りないから」と思われがちですが、適正な睡眠時間は年代によって異なります。よい睡眠がとれているかどうかは睡眠時間の長短では決められず、質のよい睡眠である睡眠休養感が得られることが大切です。悩み解決の第一歩として、まずは寝室の環境や生活習慣、嗜好品の摂取の仕方などを確認しましょう。布団には眠気が訪れてから入る、夕方以降のカフェイン摂取を控えるといった工夫が効果的です。
多くの人が抱える睡眠の悩みとその実態
睡眠に対する悩みは人それぞれです。日本人の成人の約3割が何らかの睡眠の悩みを感じていると報告されています。よくある悩みとして、以下の6つのパターンが挙げられます。
| 入眠障害 | 寝つくのに時間がかかる |
|---|---|
| 中途覚醒 | 夜間、睡眠途中に目が覚める |
| 早朝覚醒 | 予定より早く目が覚めてしまう |
| 日中の傾眠 | 日中に強い眠気を感じる |
| 睡眠不足 | 睡眠時間が物理的に足りない |
| 熟眠障害 | 睡眠の質に満足できない |
睡眠の悩みがあると睡眠時間を増やそうとしがちですが、睡眠不足以外の悩みは睡眠時間を増やしても必ずしも解決しません。よい睡眠にするためには、十分な睡眠時間の確保だけでなく、睡眠の質を上げることも欠かせません。
睡眠の質の指標となる睡眠休養感とは
朝、目覚めたときに「睡眠で十分に体が休まった」と感じられる感覚を睡眠休養感といい、睡眠の質の重要な指標とされています。たとえ睡眠時間が十分でも、睡眠休養感が低い人は注意が必要です。睡眠休養感が低いと、高血圧や糖尿病、肥満、うつ病などの生活習慣病や精神疾患のリスクが高まることがわかっています。
睡眠時間が少なく、さらに睡眠休養感も不十分な場合は、これらの健康リスクがさらに増大するため、早急な対策が求められます。
寝床で過ごす時間と睡眠休養感の関係
見落とされがちなのが、寝床に長くいすぎることです。睡眠時間を確保しようとして、実際に眠っていないのに寝床にいる床上時間が必要以上に長いと、脳が「寝床は眠れない場所」だと学習してしまいます。
その結果、睡眠休養感がさらに低下する悪循環に陥ります。これを防ぐために、眠くなってから寝床に入るように心がけ、床上時間を適切に保つことが大事です。
高齢者は寝床にいる時間を8時間未満に
睡眠時間と死亡リスクの関係は世代により異なります。40~64歳では睡眠不足がリスクとなりますが、65歳以上では、むしろ床上時間の過剰が死亡リスクを高めることが研究で明らかになっています。
高齢になると必要な睡眠時間は自然に減少するため、短時間の睡眠でも過度に心配する必要はありません。逆に、床上時間が長いと活動量が減り、アルツハイマー病や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。健康上の問題がない限り、8時間以上の床上時間は避けるようにしましょう。
よい睡眠を促すための生活習慣の改善
あらゆる世代で、睡眠の悩みの原因となるのは生活習慣と寝室の環境です。これらは意識次第ですぐに見直すことができます。理想的な1日の流れを確認しましょう。
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朝:体内時計をリセットする
朝はカーテンを開けて日光を浴び、しっかり朝食をとることで体内時計が整います。これにより、夜に自然な眠気が訪れやすくなります。 -
日中:適度な活動と昼寝の制限
日中は活動的に過ごし、適度な運動を取り入れましょう。昼寝をする場合は30分以内に留めるのがコツです。夕方以降の仮眠は夜の睡眠を妨げます。 -
夜:入浴による体温調整
就寝の1~2時間前に入浴して体を温めると、その後の体温低下とともにスムーズに入眠しやすくなります。 -
就寝前:リラックスタイムの確保
就寝1時間前からは仕事やゲームなどを控え、脳の興奮を鎮めます。眠気が訪れてから寝床へ移動するのが理想的です。
快適な眠りを支える寝室環境の整備
寝室は、暑すぎず寒すぎない適切な温度と湿度に保ち、できるだけ音を遮断して静かな環境を作ります。照明は落とすか、間接照明などを利用して可能な限り暗くしましょう。
夜中にトイレで目が覚めるのが気になる方は、就寝前の水分摂取を控えることで改善する場合があります。ただし、医師から水分摂取の指示がある場合は、摂取するタイミングについて相談してください。
就寝前のスマートフォン使用と睡眠への影響
寝床でのスマートフォン使用は、睡眠の悩みがある場合は控えるべきです。画面から出るブルーライトは、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、入眠を遅らせます。また、映像や音楽による刺激が脳を過剰に興奮させる原因にもなります。
まずは眠る前のスマホ使用を控えてみましょう。もし控えることがストレスになる場合は、夕方の軽い運動など別のストレス解消法を探すことが有効です。ただし、無理な制限が逆効果になる場合もあるため、自身の状況に合わせて調整してください。
睡眠の質を下げる嗜好品の注意点
カフェイン、アルコール、たばこは睡眠に大きな影響を及ぼします。それぞれの特性を理解し、摂取の仕方に注意しましょう。
| カフェイン | 覚醒作用があり、寝つきを悪くします。体内で半減するのに約5時間かかるため、夕方以降の摂取は控えましょう。 |
|---|---|
| アルコール | 寝つきは良くなりますが、睡眠が浅くなり中途覚醒が増えます。寝酒は睡眠の質を著しく下げるため推奨されません。 |
| ニコチン | 強い覚醒作用があります。特に就寝前の喫煙は、入眠を妨げ睡眠を浅くします。可能であれば禁煙に取り組むことが勧められます。 |
睡眠の悩みが改善しない場合は専門医へ
生活習慣や環境を見直しても悩みが続く場合は、我慢せずに医療機関を受診してください。
適切な診断と治療を受けることで、健やかな日常生活を取り戻しましょう。
当院での治療
当院では睡眠の悩みに対して、AWG療法(自費)を行っています。
