夜のトリセツ 睡眠(あしたが変わるトリセツショー)
睡眠時間を十分に確保しているつもりでも、「なかなか寝つけない」「朝がだるい」といった不調を感じることはありませんか。その原因は、日頃の生活習慣の中に潜んでいるかもしれません。本記事では、睡眠の質を左右する意外な要因である「光不足」と「鼻づまり」について、そのメカニズムと具体的な対策を解説します。
睡眠不調の隠れ原因となる光不足の解消法
仕事やエンターテインメント、ショッピングなど、あらゆる活動が室内で完結する現代のライフスタイルでは、睡眠に必要とされる光の明るさが不足しがちです。この「隠れ光不足」が、睡眠の質を低下させる大きな要因となっています。
現代人の生活スタイルと光不足の実態
物体の表面に届く光の明るさを示す単位をルクスと呼びます。あるITベンチャー企業の社員を対象にした調査では、出社した日に比べて、リモートワークの日には浴びている光の量が大幅に減少していることが分かりました。自宅で過ごす場合、睡眠の質を維持するために必要とされる2,500ルクスを15分以上浴びた人は一人もいないという結果が出ています。
第3の目でメラトニンを制御する仕組み
人が健やかに眠るためには、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンを体内で増やす必要があります。このメラトニンの分泌をコントロールするのが、脳内にある松果体という器官です。 生き物には光を感じるための第3の目を持つものがいますが、人間の場合はこの松果体がその役割を担っています。目の網膜から光の信号が届くと、約15時間後にメラトニンが増えるように睡眠タイマーがセットされます。このタイマーを正しく作動させるためには、2,500ルクス以上の強い光を浴びることが不可欠です。
日本睡眠学会理事が回答する光不足解消Q&A
光の浴び方や日常生活での取り入れ方について、日本睡眠学会の内村直尚理事長のアドバイスをまとめました。
| 隠れ光不足の主な症状 | 「寝つきが悪い」「朝起きられない」「起床時に身体がだるい」といった症状が中心です。 |
|---|---|
| 光を浴びるタイミング | 起床後約3時間以内に浴びることが最も重要です。 |
| 必要な光の強さと時間 | 2,500ルクス以上の光を、合計で15分以上浴びるようにしましょう。 |
| 屋外に出られない場合 | 窓のそばで、顔に光が当たる向きで過ごすだけでも効果があります。ただし、太陽を直接見ることは避けてください。 |
| 効果が出るまでの期間 | 1か月ほど継続することで、夜に自然と眠くなる習慣が整っていきます。 |
※雨の日や、日傘・サングラス・日焼け止めを使用している場合でも、屋外に出れば十分な明るさを得ることが可能です。
睡眠を妨げるもう一つの原因である夜間の鼻づまり
睡眠不調のもう一つの意外な原因が、就寝中に起こる鼻づまりです。自分では気づかないうちに鼻の通りが悪くなり、眠りの質を下げているケースがあります。
就寝中に鼻の粘膜がむくむメカニズム
MRIを用いた調査では、就寝中に鼻腔(空気の通り道)が狭くなっている人が多く見られます。これは鼻の粘膜がむくむことで起こる現象です。 人が眠りにつく際、全身の毛細血管が広がって体温を下げる仕組みが働きますが、鼻の粘膜にも毛細血管が密集しているため、就寝時には鼻がむくみやすくなります。これにより呼吸が妨げられ、睡眠に悪影響を及ぼすのです。
鼻づまりを改善する正しい鼻うがいの手順
睡眠不調の原因が鼻づまりにある場合、寝る前の鼻うがいを習慣にすることが推奨されます。まずは2週間ほど継続してみましょう。
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水温と塩分濃度の調整
250mlのぬるま湯(約38℃)に、食塩約2gを溶かして濃度約0.9%の生理食塩水を作ります。水温が不適切だと粘膜を傷める恐れがあるため注意してください。 -
適切な姿勢と発声での洗浄
前かがみの姿勢になり、「あ~」と声を出しながら行います。声を出すことで食塩水が肺や耳に入るのを防げます。片方の鼻から入れた液が、反対側の鼻や口から出るように流します。 -
仕上げの鼻かみ
洗浄が終わったら、鼻の中に残った液を出すために優しく鼻をかみます。使用した生理食塩水は作り置きせず、その都度捨ててください。
隠れ鼻づまりのセルフチェックリスト
以下の項目に心当たりがある方は、鼻の状態が睡眠を阻害している可能性があります。
- あおむけになると鼻が息苦しく感じる
- アレルギー性鼻炎がある
- 特に眠りはじめにいびきをかく
- 夢の途中で頻繁に目が覚める
- 起床時に口の中がひどく渇いている
上記のリストのうち、「1または2のいずれか」、あるいは「3から5の中で2つ以上」当てはまる場合は、鼻づまりが原因で睡眠不調に陥っているかもしれません。
不調が改善しない場合の注意点
光対策や鼻ケアを1か月ほど続けても改善が見られない場合は、他に原因がある可能性も否定できません。自分だけで判断せずに、専門医に相談することをお勧めします。
当院での治療
当院では睡眠不調に対してAWG療法(自費)を行っています。
