今こそ知りたい!目のトラブル 「クリアな視界を取り戻す!進歩する白内障の手術」(きょうの健康 )
加齢に伴い誰にでも起こりうる白内障は、80代ではほぼ全員がかかるといわれる身近な病気です。目の中の水晶体が濁ることで視界が悪くなりますが、現在は手術法の進歩により、体への負担を抑えた治療が可能になっています。人工の眼内レンズの選択肢や、日常生活で取り組める予防法について詳しく解説します。
白内障によって現れる主な症状
白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が濁り、光が通りにくくなることで発症します。主な症状として以下のものが挙げられます。
- もやがかかったように物がかすんで見える
- 光をまぶしく感じやすく、明るい場所で見えにくい
- 物が二重、三重に重なって見える
- 視界全体が暗く感じる
白内障の主な原因と老化の影響
水晶体が濁る原因の多くは目の老化です。加齢に伴い、水晶体は硬くなってピント調整能力が低下する老眼が始まります。やがて水晶体のたんぱく質が変化して透明度が失われるのが白内障です。60歳代から発症者が増え始め、80歳代になると、程度の差はあれ、ほとんどの人に症状が見られるようになります。
日常生活に支障を感じたら早めの受診を
白内障が進行すると、パソコンやスマートフォンの画面が見えにくくなったり、車の運転中に対向車のライトがまぶしく感じたりするなど、生活の質が低下します。安全な生活を送り続けるためにも、少しでも違和感があれば早めに眼科を受診することが大切です。
正確な診断のための検査
白内障の診断では、視力検査に加えて以下の専門的な検査が行われます。
| 細隙灯顕微鏡検査 | 水晶体の濁りの程度を直接確認する検査です。白内障があると組織が白っぽく写ります。 |
|---|---|
| コントラスト感度検査 | 視界の鮮明度を調べる検査で、どの程度はっきりと物が見えているかを評価します。 |
ごく初期の白内障に対する治療
非常に初期の段階で、患者本人が希望する場合には点眼薬が処方されることがあります。これはたんぱく質の変化を抑えて進行を遅らせることが目的です。ただし、すでに日常生活に支障が出ているほど進行した白内障を、目薬で改善させることはできません。
根本的な解決のための白内障手術
現在の医療では、水晶体の濁りを改善する方法は手術に限られます。濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する治療です。痛みや合併症のリスクは極めて低く、多くの場合15分程度の短時間で終了します。
-
局所麻酔の実施
目薬や注射による麻酔を行い、手術中の痛みを取り除きます。 -
水晶体の切開
水晶体を包んでいる袋に小さな切れ目を入れます。 -
濁りの除去
超音波で濁ったたんぱく質を砕き、きれいに吸引して取り除きます。 -
眼内レンズの挿入
空になった袋の中に人工の眼内レンズを固定し、傷口を閉じて終了です。
ライフスタイルに合わせた眼内レンズの種類
眼内レンズには大きく分けて2つのタイプがあります。術後の見え方を左右するため、慎重な選択が必要です。
単焦点レンズ
特定の1点(遠近どちらか)に焦点を合わせるレンズです。公的医療保険が適用されるため、費用を抑えることができます。
| 焦点の位置 | 向いている活動の例 |
|---|---|
| 近い距離 | 読書、スマートフォンの操作 |
| 中間の距離 | 家事、パソコン作業、テレビ視聴 |
| 遠い距離 | 車の運転、スポーツ |
選んだ距離以外を見るときは、眼鏡を使用してピントを調整します。
多焦点レンズ
2つ、または3つの距離にピントが合うレンズです。眼鏡への依存度を減らせるメリットがありますが、保険適用が限定的で全額自己負担となる場合もあり、費用は高額になります。
納得のいく眼内レンズ選びのポイント
眼内レンズは一度入れれば50年以上もつため、基本的には一生ものです。価格の高さだけで判断せず、それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分の生活で何を優先したいかを医師と相談して決めることが重要です。
白内障の発症を遅らせるための習慣
加齢は避けられませんが、日々の生活習慣を見直すことで発症や進行を遅らせることが可能です。
持病の適切な管理
特に糖尿病は白内障を約5倍発症しやすくさせるといわれています。また、アトピー性皮膚炎も若年性白内障の原因となるため、これらの持病がある場合は適切な治療を継続することが予防に繋がります。
抗酸化作用を意識した食事
組織の老化を防ぐために、バランスの良い食事を心がけましょう。
| 積極的に摂りたい食品 | 野菜、果物、ナッツ類、魚 |
|---|---|
| 控えたい食品 | 糖分、塩分の多いもの、過剰な炭水化物 |
徹底した紫外線対策
強い紫外線を浴び続けると、水晶体のたんぱく質の変質を早めます。外出時にはサングラスを着用したり、帽子をかぶったりして、物理的に目を保護することが有効です。
当院での治療
当院では白内障に対してAWG療法(自費)を行っています。
