がんに備える 最新情報 「治療と生活 うまく進めるためには」(きょうの健康)
がんと診断されると、治療法の選択や療養先の決定など、様々な判断を迫られます。外見の変化に関する悩みや治療費の負担など、現実的な課題に向き合う必要も生じます。患者さんの年齢、家族環境、病状、ライフスタイルによって選択肢は異なります。納得のいく選択をするためには、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが重要です。がん相談支援センターをはじめとする相談窓口を上手に活用しましょう。
がん患者さんが直面する主な困りごとと悩み
がんと診断された患者さんは、治療だけでなく生活全般において様々な不安や悩みを抱えています。主な困りごとには以下のようなものがあります。
- 治療や副作用への不安
- 主治医とのコミュニケーションの難しさ
- 仕事の継続や就労に関する問題
- 医療費や生活費などの経済的な心配
- 家族との関係性や意思疎通
- 病気との向き合い方やこれからの生き方
がん治療と副作用への適切な対処法
治療に関しては、症状や副作用のつらさに対して強い不安を感じる方が少なくありません。しかし、過剰に恐れる必要はありません。現在では、苦痛や副作用を和らげる緩和ケアや支持療法が普及しており、診断時から治療終了後まで患者さんの生活の質(QOL)を保つサポート体制が整っています。吐き気などを抑える薬も大きく進歩しています。
つらい症状や不安があるときは我慢せず、医療スタッフへ言葉にして伝えることが大切です。
また、抗がん剤治療に伴う脱毛や爪の変形、肌色の変化といった外見の変化に対しては、アピアランスケアと呼ばれる支援が行われています。ウィッグの活用やカバーメイクなどの具体的な対処法があり、拠点病院によっては専門の相談窓口が設置されています。
医師との上手なコミュニケーション方法
医師との意思疎通に悩む患者さんは多いですが、がん治療は命に関わる大切な問題ですので、遠慮せずに疑問や希望を伝えることが重要です。
限られた診察時間の中で的確に質問するための工夫として、「3つのルール」を意識してみましょう。聞きたいことをあらかじめ3点程度に整理し、優先順位をつけて具体的に質問するとスムーズです。
担当医と直接話しにくいと感じる場合は、看護師や医療ソーシャルワーカーなど、話しやすい周囲の医療スタッフに相談してください。スタッフを介することでコミュニケーションが改善されるケースが多くあります。
また、治療方針に迷いがある場合は、積極的にセカンドオピニオンを検討しましょう。他の医師の意見を聞いた際は、その結果を主治医に共有することで、より信頼関係が深まります。
治療と仕事の両立について
がんと告知された衝撃から、慌てて退職や廃業を決めてしまう「びっくり離職」が問題視されています。調査では約2割の患者さんが退職などを経験していますが、現在は医療の進歩により、働きながら通院治療を続ける人が増えています。
入院期間の短期化や通院治療室の充実により、体力や体調に合わせて就労形態を柔軟に調整できる環境が整いつつあります。国もガイドラインを策定し、企業における治療と就業の両立支援を推進しています。すぐに辞める決断をせず、休職制度や在宅勤務などの利用も含めて主治医や勤務先と相談しましょう。
活用したい相談窓口と支援グループ
がん相談支援センター
全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている無料の相談窓口です。治療に関することだけでなく、療養生活、医療費、就労、家族関係など、がんに関するあらゆる悩みに幅広く対応しています。その病院に通院していない方やご家族でも、匿名で相談が可能です。
がん相談支援センターを探す(国立がん研究センター がん情報サービス)
電話相談窓口であるがん情報サービスサポートセンター(03-6706-7797 / 0570-02-3410・平日10時~15時)も利用できます。
がんサロン・患者会・ピアサポート
同じ病気を経験した仲間と語り合える場として、がんサロンや患者会があります。不安の共有や情報交換を行うことで、孤立感を軽減できます。また、研修を受けたがん経験者が相談に乗るピアサポート外来などを設置している医療機関もあります。
経済的な負担を軽減する主な公的制度
がん治療が長期化すると経済的な負担が増加します。患者さんの状況に応じて、以下のような公的支援制度が利用できます。
| 高額療養費制度 | 医療機関で支払った月ごとの医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻される制度。 |
|---|---|
| 傷病手当金 | 病気休業中に給与の支払いが受けられない場合、加入している健康保険から支給される手当。 |
| 障害年金 | 人工肛門の造設や日常生活に著しい制限が生じる状態になった場合に支給される年金。 |
| 介護保険制度 | がんが進行して日常生活に介助が必要になった場合、40歳以上であればサービスを利用可能。 |
これらの制度の利用条件や手続きについては、がん相談支援センターに在籍する医療ソーシャルワーカーに相談することをおすすめします。
家族とのコミュニケーションと関係性の保ち方
治療中、患者さんは「十分頑張っているのに励まされてつらい」と感じ、家族側は「支えているのに感謝されない」とすれ違いが生じることがあります。お互いに遠慮やストレスをため込むと関係性が悪化しやすくなります。
病気や今後の暮らしについて率直に話し合える環境を作ることが大切です。家族間のコミュニケーションに悩んだ際も、第三者である専門相談員へ相談することで解決の糸口が見つかります。
がんとの向き合い方と共生という考え方
がんと診断された後も、多くの方は治療を続けながら日々の生活や仕事を営んでいきます。がんは必ずしも「闘う」対象として捉えるだけではありません。
治療の目的は病気を抑えることだけでなく、患者さんが「自分らしくどう生きたいか」を実現するための手段です。治療を受けながら自分らしい生活を大切にするがんとの共生という視点を持って、前向きに療養生活を送っていきましょう。
当院での治療
当院では、がんに対してAWG療法(自費)を行っています。
