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「首の痛み・首下がり症 最新情報」(チョイス@病気になったとき)

[2026.03.02]

多くの人が経験する「首の痛み」を特集します。高齢者に起こるのが首下がり症候群。うつむくように首が前に下がり、食事や歩行に支障が出てしまうことがあります。気付かないうちに症状が進むこともあるため、早期発見のために注意したい姿勢の変化や、予防につながる簡単な運動を紹介します。さらに首の痛みと手などのしびれが出るのが、椎症性神経根症椎椎間板ヘルニア。薬や装具を用いた保存療法から手術まで、治療の選択肢をお伝えします。

首にかかる負荷

首には、頭を支えるという役割があります。頭の重さは、成人の場合で体重のおよそ10%。例えば体重60kgの人ではおよそ6kgです。さらに、首が支える負荷は、姿勢によって変わります。首の角度が深くなるほど首への負荷は大きくなります。首に負担がかかる姿勢をとり続けていると、さまざまな不調へとつながることがあります。

首下がり症候群とは

人はまっすぐ前を向いているだけでも、頭の重みを背中側の筋肉で引っ張って支える必要があります。ところが、加齢などで筋力が落ち、頭を支えることができなくなると、顔を上げづらくなってしまいます。あごが胸についたような状態になり、特に立った状態のときに上げづらくなります。これが首下がり症候群です。

首下がり症候群が進むと、「食事」や「歩行」などにも影響が出てしまい、生活の質が大きく低下してしまいます。

首下がり症候群の患者様の体験談

首下がり症候群 Aさんのケース

70代女性のAさんは、ある日、家族から、外見について指摘されました。

「背が縮んだと言われました。自分ではちゃんとしているつもりでしたから、どうしてそんな心配をするのか、と思いました」

しかし、改めて自分を鏡で見てみると、下を向こうとしているわけではないのに、頭は垂れ下がったままで、自力で持ち上げることができませんでした。

頭が上げづらくなった影響で、洗顔や歯磨き、家事などもやりづらくなってしまいました。さらに歩行や食事にも影響が出るようになりました。Aさんは整形外科を受診し、「首下がり症候群」と診断されました。

Aさんは3年前に母親の介護を始め、前かがみの姿勢になる機会が多くなっていました。医師によると、加齢の影響による筋力の低下に加えて、前かがみの姿勢による負荷がかかったことが誘因になって、首下がり症候群を発症したと考えられるといいます。

Aさんが行った治療・リハビリプログラム

首下がり症候群の症状を軽減するために、Aさんは首下がり症候群に特化したリハビリプログラムを行いました。Aさんは、専門家の指導のもと、背中の筋肉を伸ばす運動を行いました。さらに首の後ろの筋肉を鍛えるトレーニングにも取り組みました。こうしたリハビリを病院と自宅でおよそ2年間続けたところ、下がっていた首をまっすぐに保てるようになりました。

「ある日、本屋さんに行ったら、本棚の上まで見上げられるようになっていました。私はこうして普通の生活をとり戻しているのだと、とても感激しました。それまで支えてくださったみなさんへの感謝の気持ちでしばらくぼーっとたたずんでいました」

首下がり症候群の原因と症状、治療法

首下がり症候群の主な原因

首下がり症候群には、老化による筋力低下が影響している場合が多いとされています。それ以外にも、パーキンソン病やジストニアなどの神経疾患、甲状腺機能の低下などのホルモンの病気、薬の副作用などが原因となって起こることがあります。そのため、まずはほかの病気が隠れていないかを調べることが大切です。

首下がり症候群の主な症状

首下がり症候群の症状は以下の通りです。

  • 上を向けない(下を向いた後に姿勢を元に戻せない)
  • 立っているときに前を見続けるのが難しい
  • 後ろを振り向けない
  • 首がだるい、または痛い
  • 歩く(立ち上がる)とふらつく
  • うがいや食事がしづらい
  • 首が下がった影響で、動作がゆっくりになる

首の動きやふだんの姿勢にいつもと違う感覚があったり、見た目がおかしいと感じたら医療機関を受診してください。

首下がり症候群の治療法

首下がり症候群の治療は、リハビリテーションが中心となります。発症から約1か月程度は、筋肉に炎症があるため、リハビリは行わず、安静にします。それ以降は、症状にあわせて首の筋肉を鍛えるトレーニングや可動域を広げるストレッチを行います。リハビリは体の状態に合わせて専門のスタッフが指導するため、自己判断で行わないでください。

リハビリテーションで改善しない場合は、手術を検討します。また、生活指導を受けることによって日常生活への影響を減らすこともできます。

首下がり症候群の予防のための運動 

ふだんから正しい姿勢を維持することが、首下がり症候群の予防につながると考えられています。姿勢の維持につながる運動をご紹介します。運動は回数よりも、正しい姿勢で行えているかを意識することが大切です。

運動は無理のない範囲で行ってください。首やその周辺に痛みがある、いま首の治療をしている人は行わないようにしてください。運動を始めて、痛みを感じたらすぐに中止してください。

肩回し

両手を肩の上に置き、胸の前で両ひじを近づけて、大きく円を描くようにゆっくりと肩を回します。胸の前でひじが上がり、体の横を通るときには下がる向きで回します。体の後ろで回すときに、肩甲骨同士を寄せるように動かすのがポイントです。1セット10回を目安に行います。

首の後ろを伸ばす運動

座った状態で両腕を伸ばし椅子などにつかまりながらゆっくりと上を向いていきます。天井を見上げるような動きです。上がりきったところで、3秒ほど静止したらゆっくりと頭を下げます。1セット10回を目安に行います。ポイントは、頭を上げるときに首の後ろの筋肉に力が入っていることを意識することです。

枕やクッションを使った運動

クッションや枕などを用意します。高さの目安は、5cm程度。高さが足りないときは、タオルなどを敷いて調整してください。

仰向けに寝て、クッションや枕に頭を乗せます。その状態から後頭部でクッションを押さえつけるように力を加えます。しっかりと首の後ろに力が入っていることを確認しながら2秒から3秒押さえつけます。そして力を抜きます。1セット10回を目安に行います。ポイントは、顎を引きながら押しつけることです。

頚椎症性神経根症について

首の骨「頚椎」の後ろには脊髄が走っており、腕の感覚などを司る神経が枝分かれしています。頚椎症性神経根症は、骨が老化などによって変形してトゲのようになり、神経の根元「神経根」を圧迫する病気です。神経根が圧迫されると首に痛みが出たり、圧迫された神経の先にある手などにしびれや痛みが出たりします。

頚椎症性神経根症の患者様の体験談

頚椎症性神経根症 Bさんのケース

1年前から首に痛みを感じるようになった50代男性のBさん。うがいをする時に上を見上げると首のあたりに痛みを感じ、肩こりに悩まされることが多くなりました。

「徐々に首が動きにくくなり、肩や腕も右側だけ上がらなくなってきました」

痛みが治まらなかったため、職場の診療所を受診すると「頚椎症性神経根症」と診断されました。Bさんの場合、神経の圧迫があったのが右側のみだったため、痛みやしびれも右側のみに出ていたのです。

Bさんは、処方された消炎鎮痛薬などをのんで様子を見ることになりました。ところが新たな症状が現れました。

「右肩から指先にかけてひどいしびれが出ました。痛みというよりしびれですね。薬をのんでも変わらない。首も肩も上がらないので、1週間ほど自宅で安静にしていました」

さらに詳しく調べると、Bさんはパソコンの操作などで首を前に傾けたまま長時間作業をしていたため、首に負担がかかり、神経をよけいに圧迫する要因となっていることがわかりました。

Bさんが行った治療・頚椎カラー

Bさんは、のみ薬に加えて頚椎カラーという装具で首の動きを制限する治療を行うことになりました。

Bさんは、仕事の時に、頚椎カラーをつけました。首の動きを減らし、負担を軽減します。すると、骨のトゲがなくならなくても神経の炎症が抑えられることがあるのです。頚椎カラーを使い出してから1か月後。Bさんの首の痛みは大幅に軽減しました。

「今が一番いい状態ですね。腕も上がるようになりましたし、首もそんなに痛くなくなってきました」

頚椎症性神経根症の治療法

頚椎症性神経根症の治療は、軽症の場合は安静にしながら、消炎鎮痛薬などののみ薬で痛みを抑える治療を行います。こうした治療で改善しない場合は、ブロック注射や頚椎カラーによる固定を行います。のみ薬やブロック注射による治療を3〜6か月ほど続けても効果が不十分であったり、まひの症状が進んだりしている場合は手術を検討します。

手術で多くの場合、症状は改善しますが、加齢による骨の変形が原因であるため、再発するリスクはあります。再発を防ぐためには、正しい姿勢をこころがけ、首に負担をかけないように過ごすことが大切です。

頚椎椎間板ヘルニアについて

頚椎の骨と骨の間には「椎間板」があり、クッションの役割を果たしています。この椎間板の中にある髄核と呼ばれる部分が、何らかの原因で飛び出してしまうことがあります。これが椎間板ヘルニアです。頚椎で起きるものを「頚椎椎間板ヘルニア」と呼びます。

髄核が飛び出ると周囲にある脊髄や神経を圧迫することがあります。すると、首の周辺や、神経の先にある腕などに痛みやしびれなどの症状が現れるのです。

頚椎椎間板ヘルニアの患者様の体験談

頚椎椎間板ヘルニア Cさんのケース

旅行が趣味の40代女性Cさん。30代の頃、就寝中に背中に痛みが走りました。

「心拍と同じような、波打つような痛みでした」

痛みを感じたのは、背中の左側だけでした。しかし、Cさんは健康診断で異常が出なかったため、そのまま気にせず過ごしていました。ところが10年が過ぎた頃になると、さらに別の症状があらわれました。

「左手でお茶わんが持てなくなり、泣きたくなるようなしびれがきました。左手がもげるような痛みと、ぐさっと刺されたような痛みが走りました」

一日中、痛みやしびれに悩まされるようになったCさん。左腕を上げたままにしていると痛みが少し和らぐため、腕を上げたまま仕事を続けていました。

Cさんは整形外科を受診。診断は、けい椎椎間板ヘルニアでした。

Cさんの治療・人工椎間板置換術

Cさんは手術による治療を受けることになりました。手術では、飛び出した椎間板を除去して、代わりに人工骨や人工椎間板などを入れます。

その中でCさんが受けたのは、人工椎間板置換術という手術でした。これは除去した椎間板の代わりに、人工の椎間板を入れる手術です。人工の椎間板は、正常な椎間板と同じように自由に動く機能があります。人工骨を入れて固定する方法よりも、自然に近い状態となるため、他の椎間板にも負担がかからないのです。

手術を受けてから2年。痛みやしびれは少し残っていますが、症状は大きく改善したといいます。

「あの頃の痛みよりはよくなっています。首に負荷をかけないよう重い荷物は持たないようにしています。またよくなったら海外旅行に行きたいなと思っております」

頚椎椎間板ヘルニアの治療法

頚椎椎間板ヘルニアの治療は、頚椎症性神経根症と同じような形で進みます。軽症であれば、安静にするとともに、のみ薬で痛みを抑えます。これらの治療で十分な効果が得られない場合には、ブロック注射や、頚椎カラーで動きを制限して症状の悪化を抑えます。

飛び出した椎間板髄核は時間とともに消えることがあるため、手術をしなくても症状が改善することがあります。ただし神経のまひに悪化がみられる場合や、歩行障害や排尿障害をおこしている場合は、手術を検討します。

手術による治療

手術には「人工の骨を使う手術」「人工の椎間板と入れ換える手術」などの種類があります。患部の状態などによって行う手術は変わります。人工椎間板置換術の場合、1〜2週間の入院が必要となります。この手術は、厚生労働省の認可をうけた医療機関でしか受けることはできません。

当院での治療

当院では首下がり症候群、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニアに対して下記の治療を行っています。

ハイドロリリース注射

トリガーポイント注射

ブロック注射

物理療法

運動器リハビリテーション(予約制)

 

 

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