「大腸がん」知らせるサイン…日本人で一番多いがん「大腸がん」早期発見ポイント(健康カプセル!ゲンキの時間)
日本人に最も多いがんである「大腸がん」は、40代以降から急増し、近年では20代の若年層で発症するケースも見られます。初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行していることも少なくありません。しかし、大腸がんは早期(ステージ0〜I)に発見できれば、内視鏡治療や外科手術によって高い確率で根治を目指せる病気です。体の小さな変化を見逃さず、適切なタイミングで専門医の診察を受けることが、健康を守るための鍵となります。
大腸がんの基礎知識と現状
大腸は消化管の終末に位置し、私たちの健康維持に欠かせない役割を担っています。まずは、大腸の働きと日本における大腸がんの現状について解説します。
| 大腸の役割 | 小腸から肛門まで続く約1.5〜2mの臓器で、水分やミネラルを吸収して便を作り、排出する働きをします。1日に最大で約6Lの水分を吸収する能力があります。 |
|---|---|
| 部位の構成 | 盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の各部位で構成されています。 |
がんによる部位別死亡者数の順位
日本国内におけるがんの部位別死亡者数において、大腸がんは非常に高い割合を占めています。
| 女性 | 第1位(2位:肺、3位:すい臓) |
|---|---|
| 男性 | 第2位(1位:肺、3位:胃) |
特に女性の死亡者数が多い背景には、家事や育児などで検診を受ける機会を逃している可能性や、内視鏡検査に対する心理的な抵抗感などが影響していると考えられています。
大腸がんの種類と進行度
大腸がんは発生する場所や形状によって、その後の経過や治療の緊急度が異なります。
部位別の発生頻度
大腸がんが発生しやすい場所には偏りがあり、特に直腸とS状結腸で全体の約7割を占めています。
| 直腸 | 35% |
|---|---|
| S状結腸 | 34% |
| 上行結腸 | 11% |
| 横行結腸 | 9% |
| 盲腸 | 6% |
| 下行結腸 | 5% |
がんの形状による違い
大腸がんの形には大きく分けて「ポリープ型」と「デノボ型」の2種類が存在します。
- ポリープ型:イボのように盛り上がった形状。サイズが大きくなると出血しやすいため、比較的発見しやすいとされています。
- デノボ型:くぼんだような平坦な形状。2cmを超えても出血しにくく、進行が早いという特徴があるため注意が必要です。
ステージ別の5年生存率
大腸がんは早期発見の有無が生存率に大きく直結します。
| ステージ0〜I(早期がん) | 92.3% |
|---|---|
| ステージII(進行がん) | 85.5% |
| ステージIII(進行がん) | 75.5% |
| ステージIV(転移あり) | 18.3% |
早期発見のために注意すべき危険なサイン
以下のような症状が続く場合は、大腸がんやポリープのサインである可能性があります。放置せず、早めに医療機関を受診してください。
- お腹が張ったり、ゴロゴロと鳴ったりする
- 下痢と便秘を繰り返す
- 便が以前よりも細くなった
- 便に血が混じっている(血便)
- 排便時に出血を伴う
定期的な内視鏡検査と便潜血検査の重要性
大腸がんは、はっきりとした症状が出る頃にはすでに進行していることが多いため、無症状のうちに検査を受けることが推奨されます。
また、市区町村の検診などで行われる「便潜血検査」も重要です。これまで陰性だった人が陽性に転じた場合、がんやポリープからの微量な出血が疑われます。精密検査として必ず内視鏡検査を受けるようにしましょう。
大腸がんの原因と生活習慣による予防法
大腸がんの発症には、遺伝的な要因と環境因子の双方が関係しています。
| 遺伝的要因 | 家族に大腸がんの既往歴がある場合、リンチ症候群などの遺伝子異常が関与している可能性があります。 |
|---|---|
| 環境因子 | 喫煙、飲酒、運動不足、欧米化した食生活などがリスクを高めるとされています。 |
| 予防に有効な食品 | ヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、リスクを下げるとの報告があります。 |
また、乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤を活用し、腸内細菌のバランスを整えることも予防につながると考えられています。
大腸内視鏡検査の準備と実施手順
最新の内視鏡検査は、患者様の負担を軽減するための工夫がなされています。一般的な検査の流れは以下の通りです。
-
予約と事前問診
医療機関にて予約を行い、現在の健康状態やアレルギー、過去の病歴について問診を受けます。 -
検査前日の食事制限
消化の良い食事(うどんやお粥など)を15時までに済ませ、以降は水分のみで過ごします。 -
当日の体調確認
再度問診を行い、使用する薬剤や検査方針を最終決定します。 -
腸内洗浄の実施
下剤と水を数回に分けて服用し、便の色が透明に近くなるまで腸の中をきれいに清掃します。 -
内視鏡検査の実施
鎮静剤や麻酔を使用してリラックスした状態で、内視鏡を盲腸まで挿入し、隅々まで観察します。
最新の内視鏡技術とポリープ切除
現代の医療現場では、最新テクノロジーを活用して病変の見落としを防いでいます。AIシステムによる診断サポートや、特殊な光を当てて腫瘍を強調するNBI技術などが導入されています。
検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。スネアと呼ばれるワイヤーで根元をくくり、電気などで切り取ります。大腸の粘膜には知覚神経がないため、適切な処置を行えば痛みは感じません。切除した組織は回収し、後日、良性か悪性かの病理診断を行います。
内視鏡検査を受ける適切な間隔
一度の検査で安心するのではなく、状況に応じた継続的なチェックが大切です。専門医が推奨する検査間隔の目安は以下の通りです。
- 異常なし(ポリープなし)の場合:次回の検査は5年後が目安。
- ポリープを切除した場合:再発や別の病変の可能性を考慮し、2〜3年後の受診を推奨。
忘れないための工夫として、4年に一度のオリンピックイヤーに検査を受けるといった習慣を持つことも、早期発見に向けた有効な手段と言えるでしょう。
当院での治療
当院では大腸がんに対して、AWG療法(自費)を行っています。
